学生時代の就職活動の思い出

学生時代の就職活動は、非常にヒヤヒヤしたものでした。私は「自分の体は一つしかなく、入社できるのも一つの会社なのだから複数同時には会社を受けない(会社をかけもちしない)」と決めていたため、一つの会社の選考が終わるまでは選考中以外の会社を受けないようにしていたからです。

すると周りの友人たちが次々と内定をもらっていく中、自分とほんの数人だけが内定をもらっていない…というような状況になってしまいました。それでも何とか9月ごろに内定を頂くことが出来、会社員になることができました。

内定までの流れは

  1. 書類選考
  2. 筆記試験
  3. 第一次面接
  4. 第二次面接(希望または配属されそうな部署の係長さんとの面接)
  5. 最終面接(配属されるであろう部の部長さんとの面接)

というような形で、面接の内容としては、第一次面接では「人柄や柔軟性(希望しない部署でも働けますか?など)」を重視され、第二次面接では「配属されるであろう部署の知識はあるか(私は法律関係のぶしょだったので、そのことについて聞かれました)」を確認され、最終面接では「部長さんとウマが合いそうか」というのを見られていた気がします。最終面接では仕事のことよりも「入ったら私や周りの人とうまくやれると思いますか?」と聞かれましたし。

もしまた就職活動をやり直せるとしたら…と考えると、改善点がいくつも浮かんでは消えてきます。

たとえば、私は「遊技機業界」だけに絞って就職活動をしていました。昔から「この業界で仕事をしてみたい」と思い、ほかの業種には目もくれずに受ける会社を選んでいました。自分の好きな遊技機を出している会社、とにかくその業界では有名な会社。今思えば視野が狭かったな…としみじみ思います。

本来であればいろいろな職種に目を向け、様々な種類の会社説明会に足を運び、自分の可能性を広げるべきだったと思います。なぜこういう思考になったかと言うと、希望していた業界の会社に内定は頂けたものの、その業界の中ではあまり好きな会社ではなく、うまくいかずに退職してしまったという事実があるからです。本来、自分の会社の製品をきちんと把握していなければならないのに、その会社に愛着が持てなかったというのが大きな理由です。

また、自分の好きなことを仕事にしてしまうというのは、諸刃の剣でもあります。嫌なことがあった、仕事で失敗してしまった。というような気分転換をしたい時、どうしても頭に仕事のことが浮かんできてしまうのです。うまく気分転換が出来ないので、四六時中悩んでしまっているような感じでした。

何より、冒頭にもあります「選考中の会社がある場合、他の会社は受けない」ということは正直失敗でした。 一つの会社の選考を受けている間にも、ほかの会社では内定がどんどん出ていて、その会社の募集が締め切られてしまう、または採用試験はしていても募集している人数が少なくなっていて、内定を頂きづらいというような状況に陥るからです。ある方は「内定をいくつも貰ってしまい、どこの会社に行こうか悩んでる」と言っていました。

学生時代はそんな人を「「なんでそんなに欲張るんだろう。行く気のないところには他のが入れたかもしれないのに。行く気がないのに人の可能性を奪うなんてひどい人だ」とも思っていました。でも今になると、その考えが少し甘かったのかと思う時があります。仕事というのは下手をすれば一生モノ。いくつも選択肢があったほうがいいに決まっています。自分でその可能性を狭めてしまうのは残念なことです。何より、顔も知らない他人のことを心配する余裕が当時の自分にはあったのでしょうか。

実際、複数の会社を掛け持ちしている人はとても忙しそうに駈けずり回っていましたし、その努力の結果が複数の内定だったのだから。もし同じように一つの会社と真摯に向かい合おうとしている方がいたら、就職活動は少し図々しいくらいでいいんだよ、と言ってあげたいです。