やり直せるなら、志望業界を変えたい

初めての就職活動では、自分が仕事に求めるものが明確でなかったために、有効な戦略を立てることができませんでした。具体的には、「大企業が良い」、「経理財務がやりたい」、「転職できるスキルを身につけたい」、「安定した生活を送りたい」、「海外で仕事をしたい」といった希望のうち、どれが一番大事なのか最後まで決められませんでした。幸い、複数の企業から内定をもらい、今は一部上場の大手重電メーカーに勤務しています。しかし、今でもこの選択を後悔することがあります。

もし、就職活動をやり直せるなら、変更するであろう点が2つあります。1つめは、「地方公務員を目指す」という点です。私はかつて、民間企業しか受けませんでした。公務員に対して漠然としたあこがれはあったのですが、「自分には学力的に無理だろう」、「民間企業と併願するのが面倒くさい」と思い、結局受験しませんでした。就職後、私の先輩や友人で、ほとんど勉強せずにあっさり地方公務員になった人を何人か見てきました。(学歴は私と同じくらいです。)そして、彼女らのことがうらやましくて仕方ない自分がいることに気づきました。具体的には、将来の年収が見通せること、転勤がなく、家族とずっと一緒にいられることが、いかに素晴らしいかを痛感しました。私が一番ほしかったものは「安定」だったことに、就職後に気づいたのです。 もう一度就職活動をするなら、10年以上住んでいた市の市役所と警察事務を受験すると思います。市役所については、長いこと住んでいた市の方が志望動機を練りやすいと思うからです。警察事務については、もともと警察や自衛隊といった自衛組織に興味を持っていたので、こちらも面接官にアピールしやすいと思うからです。

2つめは、「コンサルティング業界は受けない」という点です。私は、就職活動前に参加した外資系コンサルティングファームのインターンシップが楽しかったので、いくつかコンサルティング会社を受けました。実際、初めて内定をもらったのは大手外資系コンサルティングファームでした。その会社は給料や職種が希望通りで、一度は就職活動を終えました。ところがその後、離職率がかなり高いこと、不当な解雇で批判が高まっていることを知りました。また、一般的にコンサルティング業界は激務であることも見聞きしました。私は、1つの会社に長く勤めたいと思っていました。また、あまり体力がある方ではないので、コンサルティング業界の仕事量に耐えられるか自信を持てなくなりました。ここに来て、自分は給料や職種よりも長期雇用や適度な仕事量に重点を置いていることに気づいたのです。結局、その内定を蹴り、もう一度就職活動を始めたのですが、これは体力的にも精神的にも辛いことでした。もし、就職活動をやり直せるなら、初めからコンサルティング業界は受けず、代わりに公務員試験やメーカーを受けます。公務員試験を受ける理由は上述した通りです。メーカーは、長期雇用・適度な仕事量という私の求める条件がそろっている企業が比較的多いので、公務員以外ならメーカーが良いと判断しました。

私の場合、就職活動が長引いてとてもしんどい思いをしました。民間企業の就職活動は、基本的に終わりがありません。「もっと条件の良い企業があるかも」、「あこがれのあの企業が追加採用をするかも」と思うと、いつまでも止められないのです。しかし、公務員は違います。新卒の採用は年に一度きりです。したがって、就職活動をやり直すなら、「公務員に合格したら就職活動を止める」、「公務員試験に落ちたらメーカーに切り替える」という2つの方針を打ち出して取り組むと思います。