私の採用の決め手になったのは協調性のアピール

これは私が医療事務の転職をしたときにあった実際の面接の話です。その日、面接に集まっていたのは私を含めて5人でした。一人は私服で面接に参加していたので、おそらく選ばれないなと思いました。年も取っておりやる気もあまり感じられなかったからです。

私のライバルは実質3人でした。3人とも私よりも随分若くてやる気が漲っているように感じました。私は転職によりこの面接に参加したので年齢の面では少々マイナススタートです。しかしここで私は諦めませんでした。周りがみんな初めての就職であるなら、私にもチャンスがあると思いました。就職したことがあることを武器に面接に挑んだのです。

就職経験があったからこそ、私は「コミュニケーション能力」の重要さをよく分かっていました。周りの人とうまく合わせてやっていける能力がどれほど求められているかを知っていました。これが私の武器だと思いました。ちなみに私はそれほどコミュニケーション能力が高いというわけではありません。おそらく人並みでしょう。しかしなるべくコミュニケーションが得意と思われるように面接官と接するようにしていました。これが結構好印象に?がったと思います。

私は面接前の筆記試験からなるべく感じよい印象を相手に与えました。例えば話を聞くときには度々頷きながら、面接官の目を良く見るようにしました。そして相手がちょっとしたジョークを言った時はすかさずに朗らかに笑うようにしました。周りの子たちは始めての面接だったのか緊張してそのような余裕がなかったようで、私はこれですでに一歩リードと思いました。

それから恥ずかしいのですが、私は筆記試験で席を間違って座ってしまいました。このときも普通の私ならひたすら「すみませんでした」と頭を下げて言うところです。しかし、それでは仕事ができなそうな印象を与えてしまうと咄嗟に思った私は、「あっ」という失敗した顔をした後は困った笑顔で「すみませんでした」とニコッと笑って愛嬌で誤魔化してみました。すると周りの面接官も笑ってくれて雰囲気が和らいだように感じました。失敗はしたもののマイナスにはならなかったと思います。

このように少々抜けていてもコミュニケーションが得意というイメージを面接官に与えておくことができました。こうして筆記試験が終わって、面接に切り替わりました。一人一人呼ばれて面接を始めたのですが、私は3番目の丁度真ん中あたりだったので、それまでに緊張を落ち着けました。面接で一番ダメなのは緊張して声が震えてしまうことです。これは相手に自信がなさそうな印象を与えるだけではなく、少々暗い印象を与えてしまいます。絶対にそれはないようにと気を付けました。面接に呼ばれるまでに精神を統一して緊張を解しました。こうして面接が始まったのです。

私が聞かれたことは全部で5~6つ程でした。他の職場の面接と比べたら質問数が少なかったので、不安でした。しかし採用に決まったのはきっとあの質問の答え方が良かったせいだと思っています。私が採用に繋がったと思った面接の質問は最後の辺りに聞かれた「コミュニケーションについて」の質問でした。面接官が一つ気になる質問をしたのです。それは「周りの先輩たちと何か意見がぶつかってもうまくやっていける自信はありますか?」という質問でした。

この質問に私はニコッと笑って「私の短所は人との対立が嫌で、つい相手に合わせてしまうところなんです。ですから人と意見がぶつかったりすることはないと思います。」と答えました。これを聞いて面接官の方はにこっとしてくれました。この反応を見て、協調性があるところをアピールした今の発言が採用の決め手になったかもしれないとピンときました。そして思った通り採用になりました。人間関係に纏わる質問の大事さは働いたことがある人は絶対に分かると思います。コミュニケーション関係の質問がきたら、確実にチャンスと思って話した方がいいと思います。